紬の着物は世界一綿密な織物といわれる

蚕の繭から糸を丁寧に取り、よりをかけることによって丈夫な糸に作り上げ、その糸を利用して織った絹織物、それが紬です。
織物の中でも深い味わいのある着物で、世界で最も綿密におられている織物といわれます。
普段着として着用する着物でしたが、最近では非常に高価な紬の着物も多く、パーティなどに着用される方も多くなっています。

この紬の着物の魅力は、非常に気やすいという事です。
着物はきっちりと着ることが大切ですが、紬はラフに、自由に楽しんでほしい着物です。
逆に考えれば、着付けがしっかりできていなくてもおしゃれ感があるので、ごまかしがきく着物ともいえます。
長く愛用すればするほどに、着物がなじんで柔らかくなり風合いよくなります。

大島紬など有名な紬も多い

紬は大島、結城などが有名です。
これらの紬は制作に1年かかるといわれている最高級品で、着物の中でもかなり高価な部類に入ります。
古典的な幾何学模様やその地域の伝統的文様などが織り込まれている紬は、本当に味があり美しく、非常に高価なのでお金をためてやっと手に入れることが出来たと感動する人もいる位、非常に価値ある着物です。

日本の伝統技法によってつくられる紬は、芸術的価値、文化的価値が高いとされ近年注目されています。
職人の方が精魂込めて作り上げた作品ともいえる紬の中には、値が付けられないというほどのものもあります。

紬は格下?

江戸時代、身分の差というのは非常に厳しく分けられており、衣服に関しても身分によって着用できないものがありました。
当時、養蚕の農家では粗悪品とされる繭糸を利用し、商品にならない糸を織り込み紬の着物を作っていました。
絹に見えないというほどの着物はお百姓さんや町人等身分が低いとされる人たちも着用していい着物として利用されていたのです。

こうした歴史があるため、紬は非常に手が込んでいて、現代最高級品の糸を織り込んで作った紬の着物でも、「紬だから格下」と考える人もいるのです。
結婚式へのお呼ばれやパーティに紬を着ていくことはどんなに高価なもので、高級品と呼ばれる質の高い紬でも、場にあっていないと考える方もいます。
しかし現代では昔ほどこうした考えを持っている方は少なくなり、紬の素晴らしい芸術性、美しさ、渋さなどから、お呼ばれ着としても利用されることが多くなっています。

紬は若い人が手の出ない着物というくらい高いものですが、もしご両親や祖父母などが持っているようなら、気軽に利用してほしい着物です。
着こなしも難しくないですし、しきたりなどもあまり気にせずラフに着こなすことができます。
紬の着物に下駄をあわせたり、半襟の柄物を利用したりするとぐっと現代風になり、生きに着こなすことができます。